こんにちは、ママ先生です。
生徒さんに渡したプリントには、「28日のリハーサルの時にソーイングセットを持ってきて、空いた時間があったら衣装の調整をしましょう」とお知らせしました。皆さんはお裁縫は得意ですか❓(←私は超超苦手です💦) 現地では、モダンの衣装のチュールの裾をまだ切っていない人は、照明合わせまでにカットしてください。それからレンタル衣装を実際に着てみて、ちょうどいい場所にホックを糸で留める物(バレエママはそれをムシと呼んでいますが、正式な名称はなんでしょう?)をつけてしまうと楽だと思います。お家でチクチク縫っていると憂鬱になってしまいますが、みんなでやると楽しくできるのではないでしょうか❓ それからサテンシューズのリボンも縫っていきましょう。本番までにやることがいっぱいありますね。 さて、お裁縫といえば、私には懐かしい思い出があります。私が20代前半の頃、高校時代の親友のマリちゃんと北海道を旅行しました。マリちゃんはとても器用で、小物やパッチワークなどのいろいろな手芸品を作り、さらに角砂糖に飾りをつけるシュガーアートを作ったりもしていました。現在では芸術的なフラワーアレンジメントのプロとして、結婚式などのさまざまな場面で活躍しています。そんなマリちゃんと札幌のホテルから小樽に向かおうとした朝に、私はうっかりブラウスの第2ボタンを飛ばしてしまいました。そうしたらマリちゃんが「そのままで大丈夫。着たまま縫ってあげるよ」と言ってボタンを付けてくれました。首元に針がチラチラ動くのにおののきながらも、マリちゃんならば大丈夫だろうと私はなすがままに立っていました。すると、マリちゃんが縫いながら「ボタン付けって言ったら松尾君のことを覚えている❓」と聞いてきたのです。ええ、覚えていますとも。松尾君は、マリちゃんがずっと片想いしていた同級生の男の子でした。松尾君は大柄でガッシリしているラガーマンでした。しかも品のある端正な顔立ちで女子には人気がありました。さらに松尾君は成績も優秀で、大学は慶應大学に進んで卒業後はサントリーに就職してラグビーを続けるという壮大な夢を持っていて、ウワサによるとその夢を実現したということでした。話はさかのぼって、高校生の時に、松尾君のワイシャツの胸のボタンが取れてしまったことがありました。いつもは控えめなマリちゃんですが、「チャンス❣️」とばかりに「そのままで大丈夫。すぐに付けてあげるよ」と名乗りをあげました。「悪いね」と松尾君も任せたのですが、ここからが想定外の状況に…。2人が至近距離で向き合う感じになったので、マリちゃんは緊張してしまって、手がぷるぷる震えて器用さはどこへやら、まったく縫うことができなかったのです💦 松尾君は辛抱強く待っていましたが、とうとう「もういいよ、自分でやるから」と言って立ち去って行きました。 その日の帰り道は、泣いているマリちゃんに寄り添って「勇気を出したマリちゃんに拍手」となぐさめながらトボトボ歩いたのでした…。「松尾君かぁ、そんなこともあったよねー」とか言いながら、帽子をかぶってリュックを背負って私達は札幌のホテルを後にしました。市街地を歩いていると、突然マリちゃんが立ち止まったのです。「何?」と思ってマリちゃんの顔を見たら、目と口が大きく開かれて…「ま、ま、松尾君‼️」なんと向こうからビシッとスーツを着こなしてアタッシュケースを持った松尾君が颯爽と歩いて来るではありませんか‼️ 後から聞いた話によると、松尾君はサントリーの札幌支社で働いていたのです。こんなことってあるのですね。テレビドラマでは、そこから恋が始まるのでしょうが、マリちゃんと松尾君は残念ながらその後の発展はありませんでした。でも、あの日の不思議な再会は一生忘れられない思い出になりましたぁ❤️