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二人の天才

こんにちは、ママ先生です。

野球界のスーパースターであるイチローさんが、MLBでも準満票で殿堂入りしました。インタビューの時のイチローさんのコメントが「満票でなくて良かったです。人間は不完全な生き物で、誰もが人生をかけて完全を目指して生きていくものだから。」というものでした。 …なんというスケールの大きなコメントでしょう。私だったら「投票しなかった1人って誰?」とけんか腰になっていたかもしれません。とにかく殿堂入りし、さらにマリナーズの背番号「51」が永久欠番になったことで、イチローさんの功績が讃えられて良かったです。そのイチローさんですが、今でも現役の時と同じ練習を続けているそうです。年齢を重ねると誰しも体力や身体能力が衰えていきますが、イチローさんにとっての闘う相手は「今の年齢での完璧な自分」だそうです。すごいですね。 そうしたら、SNSでバレエ界のスーパースターである熊川哲也さんの記事が載っていました。その内容がイチローさんと重なるものがあったのでご紹介しますね。もう皆さんはご存知だと思いますが、熊川哲也さんは15歳でローザンヌ国際バレエコンクールで金賞を受賞してイギリスのロイヤルバレエスクールに留学し、卒業後はロイヤルバレエ団に入って最年少のソリストとして活躍しました。26歳で帰国後は「Kバレエカンパニー(現Kバレエトウキョウ)を設立して、現役ダンサーとして活躍しながら、毎年新作を発表して意欲的に活動しています。そんな熊川哲也さんですが、35歳の時に大怪我をして、奇跡的に復活しました。その時の心境を彼はこのように語っています。 「怪我から復帰したとはいえ、40ちょっと手前のころは、ダンサーとして、これまでできたことが、前と同じ方法ではできなくなる時期でもありました。求められる水準をキープできなくなるのでは、ということへの葛藤は大きかった。闘っている相手は、20代の僕。それは、自分自身の中では納得し解決できる問題だったけれど、ファンは電光石火のようなインパクトのある表現を求めます。そして叶わぬと知ると、落胆する。それを想像してつらい気持ちになってしまう。そんな時は、偉大なダンサーの先輩方の姿を思い起こしました。ヌレエフだってバルシニコフだって、絶対にこのハードルを通過してきたはずだ。巧みに表現の方法を変えて人々を魅了してきたのだ、と。」  …引用が長くなってしまいましたが、天才として脚光を浴びてきた人ならではの悩みと葛藤を感じますね。そして熊川さんは、「自分はダンサーでもあるけれど、振付家や演出家でもあり、バレエ団の経営者でもあり、後進の指導者でもある。これらのいろいろな仕事をいかに輝かせていくかが自分の使命であると思うようになった。」と述べています。だから「自分が踊らない公演でも評価してもらえること」、これは「熊川あってのKバレエ」と言われてしまうので難しい課題であるけれど、挑戦し続けているということです。なるほど。でも、私が以前Kバレエの「第九」を観に行った時のことです。その舞台にはなかなか熊川哲也さんは出てきませんでした。群舞がすごくダイナミックで迫力あったので感動していたら、終わりの数分前に魔法陣みたいなところに突然熊川哲也さんが一人でスッと出てきて、グルグルと回り出したのです。すると、一瞬にして「この舞台は熊川哲也さんに持っていかれた…」という感じになりました。今までの1時間半を凌駕する、たったの10秒…。「やっぱり天才はすごい」とため息がでました。 私は今回の記事を読んだので、これからの熊川哲也さんの生き方に注目していこうと思いました。

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